
菊
きく / Kiku / Chrysanthemum
邪気を払う霊草。皇室紋であり秋の象徴。
意味・象徴
邪気払い・不老長寿皇室紋・高貴秋の代表花
起源・由来
中国原産で奈良時代に渡来。陶淵明「採菊東籬下、悠然見南山」(『飲酒』)が文人趣味としての菊観の祖。9月9日重陽の節句に菊酒を飲んで長寿を願う慣習が平安宮中に定着し、後鳥羽上皇が菊紋を皇室紋に定めた。漢方薬としての効能から邪気を払い寿命を延ばす霊草とされ、能『菊慈童』(700歳の童子伝説)も流通。尾形光琳・酒井抱一の菊図、葛飾北斎『百物語』の菊が和彫りの図像源流。
構図上の役割
秋指定の花として単独でも散らしでも使う。流水との相性がよい。花弁は細い線で放射状に重ね、菊花特有の球状の立体感を出す。色は白菊・黄菊・朱菊を彫り分け、葉の墨で深みを与える。
蘊蓄
彫迫『秋華霞菊龍・不動明王』のように、秋の菊と組む龍は「秋霞・霧の中」で描かれる。十六弁八重表菊は明治2年(1869)に皇室紋として規定され、現代でも一般使用は意匠規制下にあるため、和彫りでは弁数を変えて描く慣習がある。「枕慈童」の伝承から長寿祈願として高齢者にも好まれる。
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