
紅葉
もみじ / Momiji / Maple
秋、人生の循環、再生。鯉に紅葉は伝統の吉祥組み合わせ。
意味・象徴
人生の循環・再生秋・時の移ろい成熟
起源・由来
『古今和歌集』『万葉集』以来、紅葉は秋の歌の中心題材。能『紅葉狩』(鬼女と平維茂の伝説)、『百人一首』猿丸大夫「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の」が古典的源流。江戸期には京都の高雄・嵐山、奈良の竜田川、東京の品川海晏寺が紅葉名所として確立し、葛飾北斎『諸国瀧廻り』や歌川広重『名所江戸百景』で大衆化した。日本美術では紅葉狩・観楓・秋草図の重要語彙となった。
構図上の役割
鯉・鬼・面・流水・風とあわせると動きが出る。散らし背景にも向く。五裂のイロハモミジを基本とし、朱・橙・黄・緑の濃淡で時間経過を表現する。鯉の鱗の藍と紅葉の朱の補色対比が江戸彫物の華。
蘊蓄
「鯉に紅葉」は花札の絵札(10月「鹿に紅葉」、6月「牡丹に蝶」に並ぶ秋の定型)にも採用された江戸期からの吉祥組み合わせで、登龍門を果たした鯉の威厳と秋の成熟を重ねる。「紅葉に鹿」は猿丸大夫の歌に由来し、能『紅葉狩』では平維茂が信州戸隠で鬼女(紅葉前)と戦う物語が和彫りに転用されることもある。
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