タトゥーを入れたい、その気持ちを
知識で支える
はじめての一歩から、二回目以降のステップアップまで。スタジオ選び、デザイン、施術、アフターケア、エフェメラルやジャグアまで。一次情報と科学的な裏付けをもとに、後悔のないタトゥーのための知識を編集する。

タトゥーの麻酔は効くのか。種類・現実・日本の法律を医師監修で解説
「麻酔をすれば痛くないですか?」これはタトゥーで一番多い質問です。正直に答えると、痛みをゼロにする麻酔はありません。ただし、正しく理解すれば痛みは現実的にやわらげられます。カギは「どの麻酔か」ではなく「誰が扱うか」です。麻酔は、塗るタイプ(表面麻酔)でも日本の法律では医行為=医療の領域だからです。私たちは医療機関 inklinic と連携し、医師の管理下で麻酔を扱う立場から、麻酔の種類とタトゥーでの現実、日本の法律、そして「医師の管理下なら何ができるのか」までを、一次資料・公的資料・学会指針をもとに医師監修でお話しします。
痛みと施術タトゥーのインクが皮膚に入るしくみ:毛細管現象という新しい見方
タトゥーは長く「インクを皮膚に注射する技術」と説明されてきました。ところが2025年に発表された論文は、針はインクを押し込むのではなく、毛細管現象で吸い込ませていると説明するほうが正確だと論じています。万年筆のペン先に近いというこの見方は、施術の理解だけでなく、規制のあり方にも関わってきます。
エフェメラルタトゥーGen 3で何が変わった?旧世代との違いと公表データ
現在流通しているエフェメラルインクは、2024年に登場した現行世代のGen 3です。初期世代から何が改善され、退色に関する数字をどう読めばよいのか。メーカー公表情報と、公開情報だけでは判断できない点を分けて整理します。
タトゥー施術中の潤滑剤:シリコーンとワセリン、何がどう違う?
施術中に皮膚へ塗る潤滑剤(グライド)。「ワセリンは石油由来だから良くない」という話を耳にしますが、実は逆で、精製されたワセリンは最も刺激の少ない部類です。実際、今でもワセリンを使うアーティストは多く、シリコーン系を好む人もいます。どちらが正解という話ではなく、選ぶ理由は安全性ではなく作業性の好みです。両者の違いを整理します。
タトゥーの除去タトゥーのカバーアップ、古い絵は本当に隠せる?科学で確かめる
後悔したタトゥーの上に新しい絵を重ねる「カバーアップ」。よく聞く「マクロファージの総量が決まっているから、何度も重ねるには限界がある」「白や肌色で塗りつぶしても下の絵がまた浮いてくる」という話は、本当でしょうか。皮膚科学の最新研究と、彫り手の実務の両面から、カバーアップで本当にできること・できないことを整理します。科学的にわかっていることと、現場の経験則とを、はっきり分けて説明します。
タトゥーの科学・雑学タトゥーを入れたあとに太ったら、絵柄はどうなる?
タトゥーは皮膚というキャンバスに描く絵です。では、入れたあとに体重が増えてキャンバスが広がったら、絵柄はどう変わるのでしょうか。皮膚は伸びてもインクの量は増えない、という単純な事実から、太ったとき・痩せたとき・妊娠したとき、さらに赤ちゃんが成長するときに共通して起きる変化までを、やさしく整理します。
アフターケアとトラブルタトゥーがあるとMRIは受けられないのか?研究を読み解く
「タトゥーを入れているとMRIは受けられない」「やけどをする」。そう聞いたことがある方は多いはずです。結論から言うと、ほとんどの人は受けられます。重い反応が起きる確率は1%を大きく下回ります。ただし、知っておくと安心なことがいくつかあります。通説のどこが本当で、どこが行きすぎなのか。論文をもとに、できるだけ正確に、順番にお話しします。
エフェメラルタトゥー医療で使われるタトゥー、放射線マーカーから半永久インクまで
タトゥーは装飾の文脈だけでなく、放射線治療の位置決めマーカー、乳房再建後の乳輪・乳頭再現、メディカルアラート(病歴の身体表示)など、医療現場でも実用されてきました。永久タトゥーの心理的負担をめぐる議論、Henry Ford Health × Ephemeral 社による半永久タトゥーインクの臨床試験(NCT05248009)、日本での放射線治療マーキング実務(JASTRO 2024 全国調査)まで、医療領域でのタトゥーの実像と最新動向を整理します。
タトゥーの科学・雑学タトゥーインクをめぐる国際的な規制動向、米国MoCRA・EU REACH・日本
永久タトゥーもエフェメラルタトゥーも、皮膚に注入されるのは「化学物質」です。米国では2022年成立のMoCRAでFDAの監督権限が強化され、EUでは2022年1月にREACHの大規模改正が施行されました。それぞれの規制が何を制限し、現場のインク選びにどう影響するのかを、一次資料から整理します。
エフェメラルタトゥー医療応用、放射線治療マーカーへの転用研究
永久タトゥーは長年、放射線治療の照射位置を毎回再現するための医療マーカーとして使われてきました。治療終了後も消えない印が身体に残る心理的負担を軽減できないか。Henry Ford HealthとEphemeral社が2023年に発表した共同研究を中心に、消えるタトゥーが医療現場でどう検討されているかを整理します。