タトゥー施術中の潤滑剤:シリコーンとワセリン、何がどう違う?

    施術中に皮膚へ塗る潤滑剤(グライド)。「ワセリンは石油由来だから良くない」という話を耳にしますが、実は逆で、精製されたワセリンは最も刺激の少ない部類です。実際、今でもワセリンを使うアーティストは多く、シリコーン系を好む人もいます。どちらが正解という話ではなく、選ぶ理由は安全性ではなく作業性の好みです。両者の違いを整理します。

    2026.06.10痛みと施術
    タトゥー施術中の潤滑剤:シリコーンとワセリン、何がどう違う?
    刺激・アレルギー
    ワセリン(白色ワセリン)
    非常に少ない(精製度が高い)
    シリコーン系グライド(ジメチコン)
    少ない(hypoallergenic)
    閉塞性(覆う強さ)
    ワセリン(白色ワセリン)
    非常に強い(水分蒸発を約99%抑制)
    シリコーン系グライド(ジメチコン)
    穏やか(水蒸気を通す)
    使用感
    ワセリン(白色ワセリン)
    重い・べたつく
    シリコーン系グライド(ジメチコン)
    軽い・さらっと
    摩擦・針のすべり
    ワセリン(白色ワセリン)
    膜が重く、ひっかかりが出ることがある
    シリコーン系グライド(ジメチコン)
    摩擦が少なくなめらか
    ステンシル保持
    ワセリン(白色ワセリン)
    にじみ・溶けやすい
    シリコーン系グライド(ジメチコン)
    保ちやすい
    発色・視認性
    ワセリン(白色ワセリン)
    インクを薄めぼやけやすい
    シリコーン系グライド(ジメチコン)
    クリアに見える
    主に向く用途
    ワセリン(白色ワセリン)
    乾燥した皮膚の保護・保湿
    シリコーン系グライド(ジメチコン)
    施術中の潤滑(グライド)
    施術中の潤滑剤:ワセリンとシリコーン系グライドの比較出典: [1][2][3][4][5]
    ワセリン(炭化水素鎖)とシリコーン/ジメチコン(Si-O骨格にメチル基)の分子構造の比較図
    ワセリン(炭化水素鎖)とシリコーン/ジメチコン(Si-O骨格にメチル基)の分子構造の比較図
    針が穴をあけ、抜けたあとに表面のインクが毛細管現象で穴へ吸い込まれる過程の模式図
    針が穴をあけ、抜けたあとに表面のインクが毛細管現象で穴へ吸い込まれる過程の模式図
    1. 01

      施術中の潤滑

    2. 02

      安全性の判断

    3. 03

      治癒中の保湿

    場面ごとの選び方

    よくある質問

    References

    1. [1]Draelos ZD. Moisturizers. zoedraelos.com(皮膚科医による解説). https://www.zoedraelos.com/articles/moisturizers/
    2. [2]Petroleum Jelly vs. Tattoo Glide: Which Should Artists Use?. Tattoo Everything Supplies. https://www.tattooeverythingsupplies.co.uk/blogs/news/petroleum-jelly-vs-tattoo-glide-which-should-artists-use
    3. [3]Choosing the Best Lubricant for Tattooing. Maestro Tattoo. https://maestrotattoo.com/aftercare/best-tattoo-lubricant-choosing/
    4. [4]How Ink REALLY Gets Into Skin - Tattoo Overview: Episode 8. Fireside Tattoo Network(YouTube). https://www.youtube.com/watch?v=VeeGmFS749Y
    5. [5]Silicone in Dermatology: An Update. PMC(NIH・査読論文). https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10298615/
    6. [6]Noble S, Moseman K, Medina S, German GK, Swierk J. Is Tattooing an Injection? Evaluating the Mechanics of Ink Placement. Acta Biomaterialia(2025)DOI: 10.1016/j.actbio.2025.08.055. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40886969/

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