歴史的経緯・ステレオタイプ・規制と社会の関係
タトゥーを彫るのに医師免許は必要なのか。この問いに2020年、最高裁が答えを出しました。彫師が刑事裁判にかけられた経緯から、決定後に国が出した通知、アートメイクとの扱いの違いまで、タトゥーを受ける人の目線で説明します。
X(旧Twitter)では「タトゥー保有者は知能が低い」という趣旨の主張を見かけることがあります。本当にそうなのでしょうか。知能の直接測定、学歴、性格、雇用と収入。海外の調査データを一つずつ出典付きで確認し、この主張のどこに飛躍があるのかを冷静に検証します。
タトゥーが最も多い国は米国だと思っていませんか。2018年に18カ国の計9,054人が答えた調査で首位に立ったのは、意外にもイタリアでした[8]。ただし同じイタリアでも、一般人口への全国調査では推定12.8%という別の数字があります[9]。ランキングの出どころを一つずつ確かめながら、数字が調査によってどう変わるのか、日本の状況と何が違うのかをたどります。
医師にタトゥーがあると、患者の信頼は下がるのでしょうか。米国の救急外来では、一時的な模擬タトゥーや模擬ピアスを付けた医師への患者評価を、実際の診療の後に測った査読論文があります。診療後の評価では統計的な差が出ず、写真だけを見せた別の調査では、タトゥーのある提供者がより高く評価されることはありませんでした。調べ方によって結果が変わるデータを、出典付きで見ていきます。
「タトゥーがあると就職は無理」という話をよく聞きます。しかし法律の条文や公開されている採用基準を確認すると、実態はもっと細かく分かれています。採用の自由を示した判例の考え方、職業安定法の個人情報ルール、警察官・自衛官の採用基準、就業規則の仕組みをたどりました。判断が組織ごとに分かれる理由と、志望先の基準を自分で確かめる方法もまとめています。
日本では今もタトゥーに反社会性のイメージがつきまとっています。その感覚はどこから来て、現代の実証研究はそれをどう評価しているのでしょうか。江戸期の刑罰から戦後の映像文化、そして近年の心理学・犯罪学の知見までを順にたどり、通説と事実の距離を確認します。