FULL GUIDE / 完全解説SCIENCE OF FADING TATTOOS

消えるタトゥーって、
そもそも何?

時間とともに薄くなるよう設計されたタトゥーインク、エフェメラル。 なぜ普通のタトゥーは残り続けるのに、これは薄くなっていくの? 本当に安全なの? イラストとグラフで仕組みを解き明かしながら、良いところも、知っておきたいリスクも、事実にもとづいてまとめました。仕組みとリスクを正しく理解したうえで、この革新的なタトゥーを楽しむための完全解説です。

NYU 発のバイオテック·時間とともに FADE·生分解性ポリマー(PLGA)·放射線治療で臨床試験·世界 20,000人+

IN 30 SECONDS

30秒で
ざっくり言うと

WHAT

本物のタトゥー、でも薄くなる設計

針で真皮に入れるタトゥー。ヘナやシールとは異なり、通常のタトゥーに近い線の表現ができる。

WHY

インクが分解されるから

色素を生分解性ポリマーの殻で包んだ専用インク。時間とともに体内で分解・吸収される。

WHEN

退色時期と残り方には個人差

現行Gen 3についてメーカーは、90%が2年以内、98%が3年以内に退色すると公表。ただし個々の完全消失や時期を保証する数値ではない。

WHO

NY大学発、国内でも拡大中

アメリカ・ニューヨーク大学の研究チームから始まったブランド。日本でも複数のタトゥースタジオが導入している。

MECHANISM 01

なぜ普通のタトゥーは、
一生消えないの?

タトゥーの針は、皮膚の表面(表皮)を越えて、その下の「真皮」という層までインクを届けます。 体は異物が入ってきたと判断して、免疫細胞(マクロファージ)がインク粒子を食べて取り込みます。

表皮真皮(インクが定着する層)皮下組織マクロファージ(免疫細胞)
FIG.1 / 皮膚の断面とインクの定着

ところが、普通のタトゥーインクの色素は、免疫細胞が分解するには大きすぎて・固すぎて処理できません。 細胞はインクを抱えたまま真皮にとどまり続けます。

しかも、その細胞が寿命で死んでも、こぼれ出た色素をすぐ隣の新しい細胞が拾い直す、この「捕獲・放出・再捕獲」が延々と続くことが、 タトゥーが何十年も残る理由だとわかっています。

エフェメラルは、この終わりのないループを「インクの側から」断ち切るように設計されています。

MECHANISM 02

エフェメラルは、
どうやって消えるの?

ポイントは色素そのものではなく、色素を包む「殻」にあります。 医療用の溶ける糸(手術後に自然になくなる縫合糸)などにも使われる生分解性ポリマーで色素を包み込んでいます。

① 殻に包まれた色素② 殻が少しずつ加水分解③ 破片になり体外へ
FIG.2 / ポリマーの殻が分解し、色素が小さくなって運び出されるまで

最初はくっきり

注入直後は粒子が大きく、免疫細胞も簡単には動かせない。だから普通のタトゥーと同じ発色になる。

殻が水で分解

体の水分が殻に染み込み、ゆっくり加水分解。乳酸などに分解され、最後は水と二酸化炭素になる。

小さくなって退場

粒子が十分小さくなると免疫細胞が処理できるサイズに。リンパを通って体外へ運び出される。

INGREDIENTS

インクには、
何が入っているの?

エフェメラルのインクは、公式の安全性データシート(SDS)で成分が開示されています。 いちばん多いのは水で、そこに発色のための有機色素、肌のうるおいを保つグリセリン、 ごく少量のアルコールが加わり、その色素を生分解性ポリマー(PLGA)の殻が包んでいる、 というのが基本的な構成です。

インクの土台になる溶媒で、最も多くを占める成分。

有機色素

発色を担う成分。黒はカーボンブラック(すす)ではなく、複数の有機色素を調合してつくられる。

グリセリン

うるおいを保つ保湿成分。化粧品や食品にも広く使われる。

イソプロピルアルコール(ごく少量)

製造・品質管理を助ける成分。消毒などにも使われるアルコール。

生分解性ポリマー(PLGA)の殻

色素を包む殻。体内で溶ける手術用の縫合糸などにも使われ、時間をかけて分解・吸収される。

鉛・水銀などの重金属は配合していません。着色成分の一部は米国FDAが化粧品・医薬品(外用)向けに認可した色素で、 着色成分の濃度はEUのREACH規制(附属書XVII)の基準を満たしていると、メーカーは説明しています。

※ 配合は製品(色)によって異なります。なお、皮膚へ注入する用途で認可された色素は、 エフェメラルに限らず世界的に存在しません(これは通常のタトゥーインクも同じ条件です)。 安全性の詳細はアレルギー・皮膚への影響の項もご覧ください。黒インクの中身は、次の「SDSを紐解く」でもう少し詳しく見ていきます。

DECODING THE SDS

じつは黒インクに、
「黒い顔料」は入っていない

公式の安全性データシート(SDS)を一行ずつ読み解くと、ちょっと面白いことがわかります。 エフェメラルの黒には、普通のタトゥーの黒で使うカーボンブラック(すす)が入っていません。代わりに、赤や緑など「色のついた有機色素」を混ぜ合わせて、黒く見せています。

普通のタトゥーの黒

カーボンブラック(炭素の粒)

すすと同じ炭素のかたまり。免疫細胞が分解できないほど硬く・大きいので、真皮にとどまり続ける。 だから普通のタトゥーの黒は、何十年たっても消えません。

エフェメラルの黒

色のついた有機色素の調合

炭素ではなく、赤・緑などの有機色素を混ぜて黒く見せ、それを生分解性ポリマーの殻で包んでいる。 炭素のかたまりがないから、体が少しずつ分解でき、時間とともに薄れていきます。

赤の色素リコピン ほか緑の色素グリーン3赤橙の色素レッド23黒に見える
FIG / 色のついた色素を重ねて「黒」をつくる

赤系の色素と緑の色素は、ちょうど反対どうしの色。重ねると光を広い範囲で吸収するので、 目には暗く(黒っぽく)映ります。 絵の具をたくさん混ぜると黒っぽくなるのと、同じ原理です。

SDSの表記を読み解くと

インクの土台になる溶媒。いちばん多くを占める成分です。

リコピン(CI 75125)

トマトやスイカを赤くする、天然のカロテノイド色素。発色を担う赤の一つです。

レッド195(ソルベントレッド195)

発色を担う赤の有機色素。

グリセリン

うるおいを保つ保湿成分。化粧品や食品にも広く使われています。

グリーン3(D&C Green No.6)

緑の有機色素。米国で外用の医薬品・化粧品にも使われる色です。

イソプロピルアルコール(ごく少量)

製造・品質管理を助けるアルコール。消毒などにも使われます。

レッド23(ソルベントレッド23)

赤〜橙の有機色素。

※ これは黒インクのSDSにもとづく内訳で、配合は色(黒・赤・青)ごとに異なります。 数値は幅をもたせた申告レンジで、実際の処方そのものではありません。 鉛・水銀などの重金属を主成分にしない設計や、FDA・EUのREACH規制との関係は、ひとつ前の「何が入っているの?」のとおりです。

FADE CURVE

どのくらいで、
どう薄れていく?

現行Gen 3についてメーカーは、90%が2年以内、98%が3年以内に退色すると公表しています。ただし実際の薄れ方は、 皮膚のタイプ・部位・注入の深さ・代謝・紫外線などで大きく変わります。 下のグラフのグレーの幅が「個人差」。 これはメーカー公表値を再現したものではなく、個々の完全消失や時期を保証するものでもありません。

0204060801002年時点も経過の途中0369121824経過(ヶ月)色の濃さ(%)平均的な薄れ方個人差の幅
FIG.3 / 色の濃さの推移(イメージ図)。実際の数値は個人差・条件で変動します

※ グラフは仕組みを直感的に伝えるためのイメージ図で、特定の臨床データを再現したものではありません。 「2年以降も薄い痕(ゴーストマーク)が残った」という報告も海外であり、必ず予定どおりに消えるとは限りません。

FADE EXAMPLES

同じタトゥーが、どう薄れていくか

国内の取扱スタジオと Ephemeral 公式記録による、施術直後と退色後の比較です。 退色の速さや残り方には、部位・体質・デザインによる個人差があります。

PAIR 02リボン / 二の腕
施術直後 → 2ヶ月後
リボン / 二の腕 施術直後
施術直後
2ヶ月後
リボン / 二の腕 2ヶ月後
2ヶ月後
PAIR 03ハミングバード / 背中
施術直後 → 8ヶ月後
ハミングバード / 背中 施術直後
施術直後
8ヶ月後
ハミングバード / 背中 8ヶ月後
8ヶ月後
Ephemeral (公式作例)
PAIR 04シャカハンド / 二の腕
施術直後 → 12ヶ月後
シャカハンド / 二の腕 施術直後
施術直後
12ヶ月後
シャカハンド / 二の腕 12ヶ月後
12ヶ月後
Ephemeral (公式作例)
PAIR 05犬 / 肩
施術直後 → 24ヶ月後
犬 / 肩 施術直後
施術直後
24ヶ月後
犬 / 肩 24ヶ月後
24ヶ月後
Ephemeral (公式作例)
PAIR 06LOL レタリング / 二の腕
施術直後 → 28ヶ月後
LOL レタリング / 二の腕 施術直後
施術直後
28ヶ月後
LOL レタリング / 二の腕 28ヶ月後
28ヶ月後
Ephemeral (公式作例)

※ 写真は各スタジオ・アーティスト及び Ephemeral 提供。退色の速さ・最終的な残り方は、 皮膚の代謝、施術部位、紫外線曝露、デザインの密度などで個人差があります。

COMPARISON

「消える系」を、
並べて比べる

ひとことで「消えるタトゥー」と言っても、中身はまったく別もの。 どの層に・どうやって入れるかで、見た目も持ちも変わります。

エフェメラル
入れる層
真皮
どのくらい持つ
時間とともに薄くなる(時期・残り方に個人差)
仕組み
ポリマーの殻が体内で分解 → 色素が運び出される
見た目
本物のタトゥーと同じ仕上がり
ヘナ/ジャグア
入れる層
表皮(皮膚の表面)
どのくらい持つ
数日〜2週間
仕組み
皮膚の表面を染めるだけ。針は使わない
見た目
ペイント風・立体感は出にくい
シール/転写
入れる層
皮膚の上
どのくらい持つ
数日
仕組み
肌の上に貼る・転写する
見た目
近くで見るとシールとわかる

DESIGN FIT

エフェメラルに、
向くデザイン

色が時間とともに抜けていくぶん、細い線画点描(ドット)の陰影のような、軽やかなデザインが向いています。広い範囲へ繰り返し針を入れる施術を避けやすいためです。 逆に、広いベタ塗りや濃い影は、抜けるときにムラや傷が目立ちやすく、あまり向きません。

◎ 向く

線画(ラインワーク)

線を中心に構成し、広い範囲の塗りつぶしを避けやすい。

◎ 向く

点描(ドットワーク)

点の密度で陰影を表現でき、広いベタ塗りを避けやすい。

△ 不向き

広いベタ塗り・濃い影

退色時にムラ・傷が出やすい。小さめ・控えめが無難。

※ 向き・不向きは目安です。彫り師の技量やデザインの設計で変わります。気になる図柄は、取り扱いアーティストに相談してみてください。

日本での運用では、顔への施術とアートメイク用途には使用せず、広範囲の塗りつぶしも推奨していません。

DESIGN × SCAR

デザインと施術方法で、
肌への負担は変わる

ひとつ前のセクションの「向くデザイン」は、見た目だけの話ではありません。 線画や点描は、広い範囲を繰り返し塗りつぶす施術を避けやすいため、 肌への負担を抑えやすい傾向があります。ただし、痕跡が残らない保証ではありません。

いっぽうで広いベタ塗りや濃い影は、 針を深く・広く何度も入れるぶん、退色した後に針の通り道が傷として表に出やすくなります。 普通のタトゥーなら色が覆い隠してくれる傷も、エフェメラルでは色が抜けるので隠せません。

軽い線画点描・細い線定着時退色後:痕跡が残る場合もある広いベタ塗り濃い影・面塗り定着時退色後:傷として残りやすい
FIG.4 / 同じ「退色」でも、デザインの軽さで結果は変わる

避けるコツは、経験のある彫り師を選ぶことと、線画・点描など軽やかなデザインにすること。 深く広く色を詰めるほどリスクは上がります。

COLOR LINE-UP

色は3つ、
赤・青は少し早く消える

エフェメラルには黒のほかに、赤と青のカラーが用意されています。 インクの設計上、赤と青は黒よりも体内で分解・吸収されやすく、黒より少し早く退色する傾向があります。 「短めに楽しみたい」「色味で入れたい」という場合の選択肢にもなります。

赤系と青系のグラデーションが印刷されたエフェメラル専用カラーインクのパウチ2種
エフェメラルのカラーインク(赤・青)
標準

黒(ブラック)

もっとも一般的な選択。半年〜2年で大きく薄くなる、いまの目安に近いペース。

やや早め

赤(レッド)

黒よりやや早く薄れる傾向。国内では半年〜1年以内で大きく薄くなった例が報告されています(日本公式代理店調べ)。

やや早め

青(ブルー)

赤と同様、黒より早く退色する傾向。色味で短めに楽しみたい人の選択肢に。

消えるまでの目安(色別)● = 目安 / ヒゲ = よくある幅
約15ヶ月
約9ヶ月
約9ヶ月
01年2年3年

※ ●(目安)とヒゲ(よくある幅)は、公式が公表する目安(黒は約15ヶ月・個人差により最長2〜3年、赤・青はやや早め)をもとにしたイメージで、正確な平均・標準偏差ではありません。消え方には体質・部位・施術の深さ・紫外線などで大きな個人差があります。

PROS & CONS

メリットと、
デメリット

良いところだけでも、こわい話だけでもない。 両方をフラットに並べます。最後に決めるのは、あなた自身です。

GOODメリット
  • +01

    時間とともに薄くなる、新しい選択肢

    一生残るタトゥーには迷いがある人が、デザインや位置を考える際の選択肢になる。

  • +02

    将来の選択肢を狭めにくい

    就職・進学・結婚など、ライフステージで考え方が変わっても、時間とともに薄れていく。

  • +03

    永久タトゥーとは異なる選択ができる

    永久タトゥーの除去には、費用・痛み・色素沈着や瘢痕などの負担が生じる場合がある。エフェメラルは、時間とともに薄くなる設計を選べる。

  • +04

    金属系を主成分にせず、規制基準に対応

    鉛や水銀などの重金属を主成分にしない設計。化粧品・医薬品(外用)向けにFDAが認可した色素も一部に採用し、着色成分の濃度はEUのREACH規制の基準を満たしているとメーカーは説明している。

  • +05

    医療用途でも研究されている

    放射線治療の位置合わせマーカーとして、安全性と実用性を確認する臨床研究が行われている(後述)。

CAREデメリット・注意点
  • !01

    退色期間と完全消失は保証されない

    薄くなる速さと最終的な残り方には、体質・部位・製品世代・施術方法などによる個人差がある。

  • !02

    想定より長く残る・変色する例も

    青や緑に変色して残ったり、薄い痕(ゴーストマーク)が残ったという報告が海外で複数ある。

  • !03

    施術後の痕跡が残ることがある

    インクが薄くなった後も、色素沈着・色素脱失・瘢痕・ブローアウトなどが残る可能性がある。

  • !04

    美容目的の皮内注入インクは未承認

    FDAは美容目的で皮膚に注入するインクを承認していない。ただしこれは普通のタトゥーインクも同じ条件。

  • !05

    タトゥー施術に共通するリスクがある

    針で真皮に入れる施術なので、感染・アレルギー・体質による反応など、通常のタトゥーにも共通するリスクがある。

HOW TO THINK

「リスクがある=ダメ」、
ではない

実は、身のまわりの「ふつうのもの」の多くにも、ちゃんとリスクはあります。 発がん性、事故、心への影響。形はさまざまです。それでも私たちは、便利さや楽しさと 天秤にかけて、付き合うか・避けるかを選んでいます。たとえば、

日光(紫外線)

浴びすぎると皮膚がんのリスク。でも日焼け止めで付き合える。

お酒(アルコール)

発がん性が認められている。それでも適量を選んで楽しむ人は多い。

タバコ

発がん性は明確。承知のうえで付き合うか・やめるかを選ぶ嗜好品。

加工肉

WHOは加工肉を発がん性ありに分類(大腸がんのリスク)。それでも多くの人が日常的に食べている。

熱い飲み物・食べ物

65℃以上のものを取り続けると食道がんのリスク。少し冷ませば下がる。

SNS

使いすぎは抑うつ・不安と関連するという報告も。それでも多くの人が毎日使う。

事故・死亡のリスクがある乗り物。それでも多くの人がリスクを受け入れて毎日使う。

エフェメラルタトゥー

感染やアレルギー、思ったより残る・傷が残る可能性も。理解して選ぶもの。

私たちは毎日、こうしたものと「うまく付き合いながら」生活しています。 大事なのはゼロかイチかではなく、メリットとリスクを天秤にかけて、自分で納得して選ぶこと。 タトゥーも、エフェメラルも、同じです。良い面も注意点も知ったうえで決める、それが大人の選び方です。

※ ここで伝えたいのは「考え方」です。エフェメラルのリスクが、ここに並べたものと数値的に同じ、という意味ではありません。 成分や安全性の議論は続いており、最終的な判断は専門家に相談を。

GEN 3 & THE HONEST PART

Gen 3で、
何が変わった?

現在流通しているのは、2024年に登場した現行世代のGen 3です。初期世代との違いと、まだ断定できないことを分けて整理します。

最新世代「GEN 3」と表記されたエフェメラル専用インクのパウチ
現行の「GEN 3」インク

開発元は初期に「9〜15か月で消える」と強く訴求していましたが、想定より長く残る利用者が複数報道されました。米国の直営スタジオは2023年9月末に閉鎖され、現在は既存スタジオやアーティストへのインク供給を中心とする事業へ移行しています。会社側が公表した閉鎖理由は、高額な店舗運営費と厳しい資金調達環境です。顧客の不満が同時期にあったことは事実ですが、「炎上だけが閉鎖原因」とは断定できません [15]。

2021–2022

GEN 1

初期処方。退色期間のばらつきが大きく、現在は廃止。

2023

GEN 2

退色のばらつきを改善。メーカー公表では76%が2年以内に退色。現在は廃止。

2024–

GEN 3

現行処方。退色の予測性、流動性、皮膚への入りやすさ、治癒後の線の明瞭さを改善。

MANUFACTURER-PUBLISHED DATA

Gen 3は「90%が2年以内、98%が3年以内に退色」

メーカー公表値です [14]。「退色」は完全消失と同義ではなく、個々の結果や時期を保証するものではありません。

Gen 3では、退色時期の予測性だけでなく、インクの流れや皮膚への入りやすさ、治癒後の線の見え方も改善したとメーカーは説明しています [14]。一方で、具体的な配合変更、試験設計、母数、評価基準の詳細は公開情報だけでは十分に確認できません。「初期世代の問題が完全に解決した」とまでは言えません。

日本国内では初代から現行まで通じて延べ約4,000件の施術実績があります(日本公式代理店調べ)。施術を受ける際は、使用するインクが現行Gen 3か、退色期間や痕跡の可能性について十分な説明があるかを確認してください。

Gen 3の変更点を詳しく読む →

GEN 3 EXAMPLES

改良された現行処方の経過例

メーカー提供画像には、治癒後の見え方を示す約30日後の比較と、長期的な退色経過の比較が含まれます。撮影条件・肌状態・施術条件は異なるため、個々の結果を保証するものではありません。

改良された現行処方の施術直後と経過後を比較したメーカー提供画像改良された現行処方の施術直後と経過後を比較したメーカー提供画像改良された現行処方の施術直後と経過後を比較したメーカー提供画像改良された現行処方の施術直後と経過後を比較したメーカー提供画像改良された現行処方の施術直後と経過後を比較したメーカー提供画像改良された現行処方の施術直後と経過後を比較したメーカー提供画像

ALLERGY & SKIN

アレルギーは、
出るの?

結論から言うと、エフェメラルに限らず、どんなタトゥーでもアレルギー反応が出る可能性はゼロではありません。そのうえで、分かっていることを正直にまとめます。

針で真皮にインクを入れる施術である以上、体質によってはまれに反応が起こりえます。一般のタトゥーでは、赤系インクの色素(アゾ系色素など)が最も反応を起こしやすいことが知られています [10]。多くは施術直後ではなく、数週間〜数か月たってから、かゆみ・赤み・盛り上がりとして現れる「遅れて出るタイプ」の反応です。

そのうえでエフェメラルのインクは、安全性データシート(SDS)の分類上「皮膚感作性物質(アレルギーを起こす物質)には分類されない」とされており、鉛・水銀などの重金属も配合されていません。色素を包む生分解性ポリマー(PLGA)も、体内で溶ける手術用の縫合糸や、薬をゆっくり放出する製剤として長く使われてきた、免疫反応を起こしにくい素材です [11]。

ただし「分類されない=誰も反応しない」ではありません。どんな成分でも、体質によってはまれに反応が出ることがあります。ニッケル・アクリレート(医療用パッチの粘着剤)・生分解性ポリマーにアレルギーのある方、妊娠中の方は施術を避けることが推奨されます。心配な場合は、目立たない場所に小さなドットを先に入れて様子を見る方法もあります。施術前に、スタジオや医療機関へご相談ください。

White bumps

「白いポツポツ」が出ることもある

治りかけの時期に、タトゥーの上へ小さな白いポツポツ(点状の盛り上がり)が出ることがあります。これはエフェメラル特有の現象ではなく通常のタトゥーでも見られるもので、多くは「稗粒腫(はいりゅうしゅ)」と呼ばれる、皮膚が傷を治す過程でできる小さな角質の袋です。痛みやかゆみを伴わないことが多く、ほとんどは数週間〜数か月で自然に落ち着きます [12]。

ただし、強いかゆみ・痛み・じくじくした浸出液をともなったり、盛り上がりが長引いたりする場合は、アレルギーや感染の可能性もあります。自己判断せず、医療機関を受診してください。

IN MEDICINE

じつは、
がん治療の現場でも臨床試験中

Ephemeral のインクは、装飾用途だけでなく、医療現場でも安全性検証が進められています。 米ミシガン州デトロイトの Henry Ford Health は2023年5月、 Ephemeral Solutions と共同で放射線治療マーカー応用の臨床試験に着手しました(試験番号 NCT05248009 / 主任研究者 Farzan Siddiqui 医師)[1][2][13]。 放射線治療では毎回ミリ単位で同じ位置に照射する必要があり、 皮膚に小さな目印(マーカー)を入れる手法が数十年来の標準ですが、その目印にこのインクが使えるかを評価する試験です。

15

人の被験者

44

個のマーカー

0

副作用の報告

FIG / NCT05248009 単群フィージビリティ試験(2023年5月時点)[1][2][13]

試験は単群インターベンショナル・パイロット試験として設計され、 放射線治療を予定していた患者15名に対して、Ephemeral の Made-to-Fade インクで 合計44個のマーカーを施術。4〜8週間の放射線治療コース中ずっと目印として機能するよう処方設計され、被験者は毎週、施術部位の痛み・かゆみ・発疹などの有害事象について 医療スタッフのフォローを受けました[1][13]。

2023年5月時点で Eric Schaff 医師(Henry Ford 放射線腫瘍科レジデント)は、 「初期の安全性データは有望で、これまでに被験者からの有害事象報告はゼロ」と発表しています[1][13]。 医療研究で毎週モニタリングされる前提でこのインクが採用され、初期段階で副作用ゼロが報告されたという事実は、 装飾用途で施術を受ける際の安全性を判断する一つの材料になります。

※ 試験は ClinicalTrials.gov 上で2024年9月1日に COMPLETED ステータスに到達済みですが、本記事公開時点で正式な結果ポスティング・査読論文化は未確認です[2]。 上記の「副作用報告ゼロ」は2023年5月のプレスリリース時点の被験者自己報告に基づく値で、最終解析の公表後に数値が変動する可能性があります。

FAQ

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よくある質問ページへ

痛み・料金・色の選択・アフターケア・カバーアップ・妊娠中の扱い・未成年への対応など、 お客さま向け/彫り師向けの細かい疑問は専用のFAQページにまとめています。

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