牡丹

牡丹

ぼたん / Botan / Peony

百花の王。富貴・華麗、唐獅子と組む最強の名コンビ。

意味・象徴

百花の王・富貴勇敢・男気高貴

起源・由来

中国原産で奈良時代に空海ら遣唐使僧が薬草として持ち帰ったとされる。中国では「花王」「富貴花」と称され、唐代の長安で皇族・貴族が競って栽培した。日本では江戸前期に園芸が大流行し、元禄期(1688-1704)には伊藤伊兵衛『花壇地錦抄』など牡丹の品種解説本も出版された。狩野山楽『牡丹図』、円山応挙『牡丹孔雀図』が和彫り下絵の典拠で、特に唐獅子牡丹は狩野派の襖絵から襟絵・刺青へと意匠が転移した。

構図上の役割

唐獅子・蝶・流水・蛇・髑髏などの相方にも、単独主題にもなる。胸・肩・袖に置きやすい。花弁は幾重もの濃淡ぼかしで立体感を出し、朱紅・白・桃色の三系統を彫師が描き分ける。葉の墨と花弁の朱の対比が彫物の華やかさを決める。

蘊蓄

牡丹は「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の慣用句で美人の象徴とされ、女性の刺青にも好まれる。中国では国花論争の対象で、清朝の国花は牡丹だった。鎌倉以降の家紋にも牡丹紋(近衛家・伊達政宗)が用いられ、武家の品格意匠でもある。

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