
蝶
ちょう / Chō / Butterfly
再生と変態(青虫から蝶への変化)の象徴で、魂の化身や花魁のたとえでもあります。
意味・象徴
再生・変態(青虫→蛹→蝶)不死魂の象徴花魁の隠喩
起源・由来
中国『荘子』斉物論の「胡蝶の夢」に源流を持ち、蝶の舞う姿に魂・霊魂を見る、古くからの信仰である。『古事記』『日本書紀』にも「天虫(あまむし)」として登場する。能『胡蝶』や平家の揚羽蝶紋(六波羅蝶)などで武家の意匠としても定着し、衣装の文様にも多い。江戸期の浮世絵では喜多川歌麿・鈴木春信が遊女に蝶を添える図を多く描いた。
構図上の役割
牡丹や流水のまわりに添えて柔らかさを出す。ワンポイントから額入りまで、使い方は多彩である。主にアゲハ蝶を描き、翅の目玉模様(眼状紋)を金・朱で差すのが伝統である。胸・肩甲骨のあたり・前腕に入れる、小〜中くらいの主題に向く。
豆知識
平清盛が用いた揚羽蝶紋は伊勢神宮の神紋に由来し、家紋として平家一門・池田家・伊達家の家臣に広まった。蛹から羽化する変態は仏教の「成仏」と重ねられ、墓石装飾にも用いられる。花魁のたとえとしての蝶は、客から客へ移ろう遊女を、花から花へ飛ぶ蝶になぞらえた江戸後期の表現である。
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