観音菩薩

観音菩薩

かんのんぼさつ / Kannon / Avalokiteśvara / Kannon

無限の慈悲。龍に乗る騎龍観音は陰陽の調和。

意味・象徴

無限の慈悲・救済静けさ・包容万能の救済力(千手千眼)

起源・由来

『法華経』観世音菩薩普門品(観音経)が中心経典。観音は衆生救済のため三十三の姿に変身するとされ、子年の守護本尊(梵字キリーク)。千手・馬頭・十一面・円光・騎龍・魚籃・施薬など多数の派生形がある。日本では奈良時代に渡来し、西国三十三所巡礼の本尊として民間信仰に深く根付いた。狩野芳崖『悲母観音』(1888・重要文化財)が近代観音図像の頂点で、和彫りの構図にも影響している。

定石の組み合わせ

(騎龍観音)
蓮華
水・滝
光背

構図上の役割

背中・胸・上腕。蓮華座、光背を伴う伝統構図。背中一面では下半身に波・雲を配し、上半身に円光・天衣を流す。色は白衣に朱・群青の天衣、肌は薄墨で抑え、光背を金で起こすのが定型。

蘊蓄

騎龍観音は和彫りで絶大な人気。荒々しい龍(力・男性・動)を、穏やかな観音(慈悲・女性・静)が御する陰陽調和の最高傑作の構図。狩野芳崖の悲母観音や、原典に近い唐の楊柳観音図(一葉の柳枝と浄水瓶を持つ)が彫物下絵として用いられる。三十三所信仰の影響で、観音は他の仏尊と異なり「俗世の苦悩を直接救う身近な仏」として民衆的人気が高い。

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