
滝
たき / Taki / Waterfall
縦落ちの水筋。鯉が登れば龍になる試練の場。
意味・象徴
試練・上昇登龍門修行・浄化
起源・由来
中国『後漢書』李膺伝の「登龍門」(黄河上流の龍門山の激流)が源流で、これを登り切った鯉だけが龍に変じるとされる。日本では修験道の滝行(那智滝・布引の滝など)と結びつき、修行・浄化の場として聖性を持つ。葛飾北斎『諸国瀧廻り』(天保4年・1833)が滝図の頂点で、全8図のうち「美濃ノ国養老の瀧」「下野黒髪山きりふりの滝」などが和彫りの下絵に多用される。歌川広重も諸国滝図を残した。
構図上の役割
単独背景というより、鯉・龍・鬼若丸など物語化された主題の舞台になる。垂直に長い背中向きの題材で、墨の濃淡で水流を縦に切り裂き、白抜きの「水筋」と藍の「淵」で立体感を出す。
蘊蓄
北斎の滝図は水の落下を幾何学的な線で抽象化した初期の例とされ、近代絵画の水表現に影響を与えた。修験道では滝行は「不動明王の三昧」(三昧滝・みたきさん)と結びつき、滝に打たれることは煩悩の焼却と同義とされる。彫物では「滝に鯉」は中年男性の出世祈願、「滝に不動」は信仰の篤さの象徴となる。
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