
鱗
うろこ / Uroko / Scale pattern
三角形を連ねた文様で、蛇や魚の鱗から生まれた魔除けです。
意味・象徴
魔除け・厄除け蛇性鱗の連想
起源・由来
正三角形(または二等辺三角形)を二色で交互に並べた、三角形の連続文様である。由来には蛇の鱗・魚の鱗という説がある。古典的な手本は、能の般若・蛇女面が着る鱗文の装束である。能装束では、女の執着や蛇の性質を目に見える形にする記号として用いられる。武家の装束にも「鱗鎧」「鱗縅」として使われ、北条氏の家紋「三つ鱗」(鎌倉幕府執権・後北条氏)は、この文様を家紋にした代表例である。古墳時代の埴輪・装飾古墳の壁画にも原始的鱗文が見られる。
構図上の役割
蛇・般若・女面・鬼の周辺で意味が強くなる。黒と白(または藍と白)の交互配置が古典で、女性主題の衣裳引用や、般若の背後の地文として用いる。三角の鋭さで主題に緊張感を与える。
豆知識
北条氏の三つ鱗紋は江ノ島弁財天に祈った北条時政が龍神から鱗三枚を授かったという伝説に由来し、執権北条氏の権威の象徴となった。能装束には、「中年以上の女、執心ある女」にのみ鱗文の摺箔を用いる決まりがある。和彫りでも、般若や蛇身の女と組み合わせると、女性の業が強調される。
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