
岩
いわ / Iwa / Rocks
ごつごつした岩で、画面に重さを与え、構図の骨組みを作ります。
意味・象徴
安定・不動の精神険阻・自然の骨格生命の試練
起源・由来
源流は、中国南宋の山水画(馬遠・夏珪の斧劈皴)から日本の雪舟・狩野派に受け継がれた、岩や崖の墨画の技法である。唐獅子・虎・鯉・滝の背景として古くから使われ、特に狩野派の襖絵の岩座の構図が、そのまま和彫りの下絵に使われた。日本固有の信仰では、岩は「磐座(いわくら)」として神霊の依代とされる。伊勢神宮・大神神社・諏訪大社の磐座の祭祀が、岩を神聖なものとする考えを支えている。
構図上の役割
背景の下辺・側面に置き、主題を地面に固定する。目立たないが、構図の上では極めて重要である。斧劈皴(おのを劈いたような鋭い線)と披麻皴(麻を散らしたような線)の二系統で、墨の濃淡と線の角度で岩肌の質感を彫り分ける。
豆知識
「岩」は「巌(いわお)」とも書き、不動明王の岩座(盤石座)は揺るがぬ悟りの象徴である。葛飾北斎・歌川国芳の武者絵では、岩は人物の足元を支える舞台としてよく出てくる。唐獅子牡丹の岩は、獅子が安住する「百獣の王の王座」として描かれる。
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