稲妻

稲妻

いなずま / Inazuma / Lightning

ジグザグの雷光で、神威と荒々しい気象を表します。

意味・象徴

神威・突発性気象の荒さ雷神の力

起源・由来

「稲妻」という言葉は、稲が実る時期(旧暦8-9月)に雷が多く、雷光が稲を孕ませて豊作になるという、農耕民の言い伝えに由来する。『万葉集』にも「稲妻」の用例があり、雷神(鳴神)への信仰と表裏一体の関係にある。風神雷神・龍神・雷雨を描くときの絵の語彙である。代表的な作例は、俵屋宗達『風神雷神図屏風』の雷神の連太鼓から出る光線と、葛飾北斎『冨嶽三十六景・山下白雨』の山腹を走る稲妻である。

定石の組み合わせ

構図上の役割

装飾として強調されやすい。龍や雷神の背景のアクセントになる。直線的なジグザグ(鋸歯状)と分岐する樹枝状の二系統で、白抜き・黄・橙の三層で発光を表現する。墨黒の雲を背景に白稲妻を走らせると劇的な対比が生まれる。

豆知識

「稲妻」と「稲光」は同義だが、雷鳴のない発光のみを指すこともある。神道では雷光は神の顕現(神鳴り)とされ、夏祭りで「鳴神鎮め」の神事を行う社(賀茂別雷神社など)がある。雷紋(雷文・らいもん)は青銅器以来の連続文様で、現代でも建築装飾・印章に残る。

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