
蓮
はす / Hasu / Lotus
清浄と悟りを表す仏教のシンボルで、神仏の台座にもなります。
意味・象徴
清浄・神聖仏教的悟り俗世不染・再生
起源・由来
古代エジプト・インドの聖なる花で、ヒンドゥー教(ヴィシュヌ・ラクシュミーの座)から仏教に取り入れられた。『法華経』(妙法蓮華経)はその名のとおり蓮を経典の象徴とする。仏教では、蓮華座(蓮台)が仏や菩薩の台座として中心的な図柄になった。泥(俗世・煩悩)の中から清らかな花を咲かせる姿は、「煩悩即菩提」という禅の考え方に通じる。日本では、奈良の唐招提寺・薬師寺の蓮華文様や、平安期の蓮華王院(三十三間堂)の千手観音像群が、仏教の蓮の手本になっている。
構図上の役割
仏尊の台座、清浄の象徴として神仏モチーフと極めて相性が良い。八弁・十二弁を基本とし、紅蓮(淡紅)・白蓮の二系統で描き分ける。葉(荷葉)の墨色と花の朱・白の対比で清涼感を出す。観音・弁財天・愛染明王の足元、または額の上下に配する。
豆知識
蓮の四相(蕾・開花・散華・蓮実)は仏教で「衆生の救済段階」を象徴し、彫物では花・葉・蓮実(種房)をセットで描く。中国・周敦頤『愛蓮説』の「出淤泥而不染」(泥より出でて泥に染まらず)は禅画賛として頻繁に引用される。蓮根の地下茎は「縁が切れない」象徴として婚礼意匠にも転用される。
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