
天狗
てんぐ / Tengu / Tengu
山伏の装束をまとった妖怪で、鞍馬山で牛若丸に剣術を授けました。
意味・象徴
武勇・山の霊力修験道驕りへの警句
起源・由来
『日本書紀』舒明9年(637)条の流星「天狗(あまつきつね)」が初出だが、後の時代の妖怪の天狗とは別の系統である。中世の説話『今昔物語集』『天狗草紙』、能『鞍馬天狗』『大会』、狂言『松山天狗』などで姿が定まった。大天狗(鼻高天狗・赤面)と烏天狗(小天狗・嘴を持つ修験者形)の二系統がある。歌川国芳・河鍋暁斎が好んで描き、特に鞍馬山で源義経(牛若丸)に剣術を授けた鞍馬天狗が、和彫りの主題として最も人気がある。
定石の組み合わせ
山岳
団扇
下駄
牛若丸
構図上の役割
面・人物・山岳の背景と組みやすい。抜き彫りでも映える。山伏装束(兜巾・結袈裟)に羽団扇(鼻高)または錫杖(烏天狗)を持ち、一本歯の高下駄で立つ姿が定型である。色は赤面・墨衣・朱結袈裟を主体に、額には松・滝・霞を配する。
豆知識
全国の山には霊山ごとに「八天狗」(鞍馬山僧正坊・愛宕山太郎坊・比良山次郎坊など)が祀られ、修験道と密接に結びつく。「天狗の鼻が高い」という慣用句は、慢心への戒めとして天狗説話に由来する。明治の廃仏毀釈で修験道は弾圧されたが、天狗信仰は民間に残った。
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