九尾の狐

九尾の狐

きゅうびのきつね / Kyūbi no Kitsune / Nine-tailed Fox

国を傾けた絶世の美女の正体で、妖艶さと魔力の象徴です。

意味・象徴

妖術・魔力絶世の美したたかな自立心

起源・由来

東アジアに共通する妖狐の伝承である。中国の『山海経』に九尾の狐の記述がある。後の伝承では、殷の紂王を惑わした妲己、周の幽王に取り入った褒姒、インドの斑足太子に近づいた華陽夫人として、国を滅ぼす妖しい姫の姿で描かれた。日本では『神明鏡』『絵本三国妖婦伝』で鳥羽上皇を病に陥れた玉藻前として渡来し、那須野原で討伐され「殺生石」と化したとされる。歌川国芳・月岡芳年が好んで描き、能『殺生石』が舞台化した。

定石の組み合わせ

月夜
炎
美人画
巫女

構図上の役割

女性の背中などに彫られ、力強さと自立心の象徴へと転換される。十二単姿の絶世の美女と、月光の下で九尾の狐に変身する場面の二つの姿を組み合わせる構図は、国芳の系統の作品が手本になっている。額には月・雲・炎・薄草を配する。

豆知識

栃木県那須湯本の殺生石は実在の溶岩塊で、付近に火山ガス(硫化水素)が発生するため動物が近づくと死ぬ。これが、「狐の怨念で毒気を発する石」という伝承の自然科学的な背景である。2022年に殺生石が真っ二つに割れた際、SNSで「九尾の狐が復活した」と話題になった。

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