鯰

鯰

なまず / Namazu / Catfish

地震を起こす怪魚でありながら、世直しの善玉でもあるという二面性を持ちます。

意味・象徴

地震・災いの元凶世直し(復興景気)大地の動揺・要石

起源・由来

由来は、安政2年(1855)の江戸大地震の後に大流行した「鯰絵」である。鹿島大明神が要石で押さえ込む構図や暴れる地震鯰として描かれる一方、逆に「世直し鯰」として復興景気を呼び込む善玉としても描かれ、二面性を持つ。

定石の組み合わせ

要石・鹿島大明神
瓢箪
歌舞伎『暫』の鯰坊主

構図上の役割

背中・脇腹で水面と一体化させ、要石や瓢箪と組む物語型構図に向く。墨と藍を主体に、ぬめりを濃淡のぼかしで表現する。

豆知識

「地震は神無月に起こる。なぜなら鹿島大明神が出雲に出張中で、留守番の恵比寿が酒に酔って鯰を見張り損ねた」(恵比寿天申訳之記)。安政2年(1855)江戸大地震直後の数ヶ月で出版された鯰絵は確認されるだけで200点を超え、無許可の出版だったため幕府の取り締まりの対象になった。豊臣秀吉時代の文禄伏見地震(1596)でも「地震鯰」の伝承は記録され、瓢箪で鯰を押さえる図(瓢鮎図・如拙)は室町期に遡る。

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