獏

ばく / Baku / Baku

悪夢を食べる魔除けの霊獣。

意味・象徴

悪夢を食らう・邪気払い安眠・厄除け

起源・由来

中国の『山海経』『神異経』などに源流を持つ伝承獣。象の鼻、犀の目、虎の足、牛の尾を持つ合成獣として描かれる。室町以降の日本で、初夢の枕の下に獏の絵を敷く風習が広まり、江戸期には宝船図や枕屏風に好んで描かれた。日光東照宮の彫刻群にも獏が見られ、徳川家康の枕には獏の意匠があったと伝わる。

定石の組み合わせ

雲・霞
悪夢の意匠

構図上の役割

肩・上腕・胸の中型主題に向く。雲・霞の額に乗せ、長い鼻で鬼や煩悩を吸い上げる動勢で描くと物語性が出る。墨と藍を主体に、牙と眼を朱で差すのが伝統。

蘊蓄

現実世界における「悪夢」を食い破り平穏をもたらす守護獣として、現代でも根強い人気。獏は実在のバク(中南米・東南アジアの哺乳類)とは無関係で、明治の動物学者が異種同名で命名した結果、現代では混同される。

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